本日の2本

これはビデオで見た。
古物商の店を舞台に繰り広げられる、登場人物たった3人の物語。何度か電話で外の人物と話す場面はあるが、その声の出演もない。1時間半に満たない短い映画だが、全編を通して、ひたすらせりふが続く。つまるところ、人を信じられるかどうかということだが…
気持ちにゆとりのあるときでないと見てられないな、こういう映画は。これはGyaoで見た。
ほんの少しの建具と家具を使い、床に線を引いただけで家や畑をあらわしている。建物への出入りは、ドアをノックする演技と音であらわしている。外の風景も、ベンチと杭があるくらいで、木や草など、自然のものは一切使っていない。
「善良」とおそらく自分でも信じていた人たちが、一人の女性を巡ってしだいに本性をむき出しにしていく。その姿が、あまりにもおぞましく、背筋が寒くなる。でも、この映画の本当の恐ろしさは、そこにはない。最後の20分(くらいかな?)ほどで迎える結末は、もっと恐ろしい。でも、納得できて、喝采を送りたくなる。
たまたまだが、この2本の映画は登場人物の少なさ(通りすがりの人など、ストーリーに関係のない人は一切登場しない)、舞台のようなセットということで、ダスティン・ホフマンの「セールスマンの死」を思い出させるものだった。