終わった…

9月に突然かかってきた電話を受けたことから始まった、私の一大事が終わった。
大手楽器メーカーの研究所の主催で、「音楽と人とテクノロジー」と大きなテーマを掲げたものだった。
電話を受けたときはその規模もわからず、私をパネリストとして使ってくれるということのうれしさで二つ返事で引き受けた。打ち合わせを重ねるごとにその大きさがわかった。
仕事柄、研究者たちのシンポジウムを運営したり見たりすることは多いが、こういった形のものは経験がない。準備の期間から何度か打ち合わせをして、1週間前にはランスルー、前日はリハーサル。当日は、開幕前にはBGMが流れ、開演後は客席は暗く、ステージにはライトが当たるという大掛かりなものだった。
さすがに怖気づかないでもなかった。本当に私でいいのだろうかと…
普段専門的な知識を持っている人たちの間で仕事をしていると、自分の知識なんかほんのちょっぴりで、人を感動させるようなものは語れないと思っていた。ところが、そうではなかった。いわゆるパソコンを使える人と、使えない人の差はいまだに大きいものがある。私のつたない発表は、使いたくても、使えない人の心に触れることができたようだ。懇親会で何人かの方から「ありがとう」といっていただいたことは、大きな感動だった。


http://www.yamaha-mf.or.jp/pr-release/200601_04.html