快適さゆえに...

私は長期旅行の際には必ずパソコンを携帯している。少なくとも2.3日に一度は仕事のメールをチェックする必要があるからだ。今回の旅の1ヶ月ほど前に4年近く使っているSOTECのノートパソコンが瀕死の状態になった。48M載せてあるメモリが、16Mしか認識されなくなったのだ。16Mでも動くことは動きメールチェックだけなら使えなくはないのだが、このたび思い切って新いパソコンを購入した。選んだのは小さくて持ち運びが楽なのと、小さい割には性能がよいことが気に入ったLet's Noteである。モデムもネットワークボードも内蔵されているので、付属品を持ち歩く必要がないのも気に入っている。CD-ROMドライブを取り外して、代わりにウェイトセーバーをつければ300グラムほど軽くもなる。まさにモバイルパソコンとしては快適で、理想的なマシンだと思っている。これまでのように3キロもあるパソコンを持ち歩かなくてよくなったと一人悦に入っている。ところがその携帯性のよさが裏目に出て、初日からいろんな問題が出てきた。

到着した翌日、メールをチェックしようと電話線を差しこんだが、このパソコンウンともスンとも言わない。出発直前まで快調に動いていたし、途中特別なショックも与えた覚えはない。壊れたわけでもないだろうにと首をかしげているうちに、あることに思い当たった。モデムは国によって規格が異なり、ものによっては日本では使えてもアメリカでは使えない可能性があるのだ。そのことは承知していたので、あらかじめ確認しておこうと思ってはいた。ところが、急がしさに取り紛れてすっかり忘れていたのである。出発間際に思い出したが、まあ、大丈夫だろうとそのまま出てきたのだった。

確認しようと、陽子のパソコンでPanasonicのサイトに情報を探しに入った。なんとそこには余りにもはっきりと「内蔵モデムは国内専用で、海外では使えません」と書いてあるではないか。これまでに使っていた二つのTDKのカードモデムは日本、アメリカ本土、ハワイとどちらも何の問題もなく使えていた。すっかり世のなかそんなものと、たかをくくっていたのが大きな間違いだった。仕方なく翌日になって杏子にパソコンショップに連れて行ってもらい、一番安いカードモデムを買ってきた。さあ、これでメールが読める.....と喜んだのは箱を開けるまで。ドライバのインストールをしようにも、フロッピードライブは持ってきていないし、CD-ROMドライブはわざわざ外してウェイトセーバーをつけてきている。もちろんインターネット経由でドライバをダウンロードするわけにはいかない。

ブライアンに会社の帰りにノートパソコンを持ってきてもらって、PCカード経由でドライバをLet's Noteに移した。到着後3日目にしてようやくカードモデムが使えるようになり、メールをチェックすることができたのである。なんとまあ、世話の焼けるパソコン(の持ち主?)だこと。