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久しぶりに友人をたずねたら、インターネットの設定を見てほしいといわれた。そのパソコンは、4年前に頼まれて私が秋葉原で買ってきてあげたものだ。

そのときにプロバイダーと契約し、ダイヤルアップの接続など、インターネットに関する全ての設定をしておいた。OSやアプリケーションの再インストールもしないで、そのまま4年間使い続けたというのだから、すばらしい。それはともかくとして、彼は昨年暮れに新たにケーブルテレビと契約し、常時接続で、速度も速く、快適な環境になったと喜んでいた。

新しい環境への設定は、ケーブルテレビから派遣されたスタッフが行ったというが、彼の操作を見て驚いた。

ケーブルテレビで常時接続になっているにもかかわらず、彼はメールの送受信には電話回線を繋いで以前のプロバイダにダイヤルアップ接続をして使っていた。操作してみると、メールソフトと同時にダイヤルアップ接続も起動する。メールアドレスを変えたくないから以前使っていたプロバイダとの契約もそのまま残しておいたからと彼が考えるのはわかるが・・・・なぜ??彼が設定したのならともかく、一応プロが設定をしたはずなのに・・・。彼が何の疑いもなくダイヤルアップしていたのは、対価を払ってプロに頼んだからに他ならないのに・・・。

ケーブルテレビの設定をした人は、その任務である「ケーブルテレビ回線を使ってインターネットに接続すること」だけをして帰っていったのだろう。知人のパソコンのADSLの設定がうまくいかなかった時、メーカーのサポートサービスにノートパソコンを持ち込んだ。そのときにこれとほぼ同じことを経験した。持ち主も私も返ってきたパソコンがそのままADSLにつながると信じて疑わなかった。でも、サポートサービスではその障害を確認し、さらにADSLに接続することを確認しただけだったのだ。

私はこういう場合、前者だったら当然ケーブルテレビとの接続のままで、もう一つのプロバイダのメールも読みに行くことができるので、そちらも説明し望まれたら設定してあげる。後者の場合も接続を確認したら、家に持ち帰ってそのまま使えるようにしてあげたいと思う。

ただし、それがいいとは限らない。ある意味では「頼まれた仕事以上の仕事も、それ以下の仕事もしてはならない」ことが自分の身を守ることなのかもしれない。事実、以前同じような仕事をしていたときにはそう指示されていた。事あるごとに私は「余計なことはやめよう。私が頼まれたのはここまでなんだから」と思いつつ、その「余計なこと」をしてしまっていた。思いのほか時間がかかって後悔したことも何度かあるし、失敗したこともある。

いったい本当にどちらが正しい「サービス」なのだろうか・・・。