だまされた

lunch_lunch2004-07-25

チャイムが鳴ったので玄関に出る。

ニッカボッカをはいた若い職人と思しき人が、このあたりで近いうちに工事をするが、お知らせは回っているかという。そんな話は聞いてないというと、実は、近々ケーブルテレビ加入者の家の不要になったアンテナの撤去作業を行うが、このあたりをはしご車のようなものがとおることになるので迷惑をかけるかもしれないと、通常の工事のお知らせのような挨拶をして帰っていく。

しばらくすると再度チャイムが鳴る。さっきの男性が、今気が付いたのだがお宅のアンテナが曲がっているので見てほしいと、私を外に連れ出し、屋根を指す。電気屋さんに頼んで修理したほうがいい、2万円くらいでできますよ。倒れたアンテナが乗用車の屋根を貫通した例もあるから早いほうがいい、といって去っていった。


これはこの間から、いつか倒れるのではないかと気になっていたものだ。確かに直したほうがいいが、どこの電気屋に頼もうか・・アンテナの番線張りなおしだけで、気持ちよく来てくれる電気屋はいるだろうかと思案を始めた。するとその男は、あ、そうだと言いながらきびすを返して、ついでだから直してあげますよと思いついたように言う。はしご車のようなものを持ってきてこのあたりで作業をするのなら、確かについでにできるだろう。こちらとしても電気屋を探すより簡単で、その上安く済むので、渡りに船と5千円でやってもらうことにした。

別れ際に彼は、こういう状態だと屋根がいたんでいることが多いから、上ったついでに屋根の点検もしてあげますよ、点検はただだから・・・と言って、帰っていった。

この一言がひっかかった。

屋根や床下の点検をして、あっちも腐っている、こっちも壊れているといって法外な修理費をふんだくる商法があるという。彼が最初に戻ってきたときにはそうではないかと一瞬疑ったけど、電気屋さんに頼んでくださいといって去ろうとしたときからその思いは消えていた。それが、この最後の一言で再燃してきた。

彼が去ってから、Webでその会社を調べた。

国土交通大臣許可 般-15 第000000号という国土交通大臣許可番号で調べると、その会社は存在するが、住所は受け取ったチラシに書いてあるものとは異なる。Webを見た限りでは、怪しい会社でもなさそうだ。しかし、業務内容を見ると「屋根修理」がかなりのウエイトを占めている。また、調べていくと、アンテナの撤去を足がかりにして屋根の修理からはじまり、いろんな工事をやられて大枚払う羽目になったという被害が急増していることがわかった。

これは、ほとんど間違いない。私は危なくだまされるところだったのかもしれない。もちろん、まだ、何が起きたわけではないので答えを出すのは性急だが、屋根の修理につながる恐れが大だ。急いで断りの電話を入れたが、休日のため誰も出ない。仕方が無いから、とりあえずはFAXでその旨を伝えておいた。

これであっさりと終わることなのかどうか、今のところ先方が明日どう出てくるかわからない。とりあえず、消費者契約法や、クーリングオフについて下調べをし、明日に備えることとする。

帰宅した夫に一部始終を話すと、なんといろんなことを考えるものだなあとあきれていた。

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調べるにつれて、私はかなり深刻な状況に陥っているのではないかと思われてきた。

まず、今回の仕事については契約書は交わしていないが、口頭でも契約は成約する(諾成契約)。
つまり、私が口頭で承諾した時点で「訪問販売等に関する法律」の「役務提供契約」がなされたことになるのだと思う。ところが、アンテナに関する作業は、「訪問販売等に関する法律」で言う「指定役務」では無いことがわかった。指定役務以外は、クーリング・オフの対象とならない。

次に「消費者契約法」で解約ができないだろうかと読んでみると、彼は会話の中でごく自然に「消費者の権利義務その他の消費者契約の内容についての必要な情報」を提供していることがわかった。ちょっと人のよい建築作業員といった風をしているが、実は、話術などもきちんと教育をされているようで、抜け目は無い。うーーん、これはかなり手ごわいかもしれない。

あとは、「消費者契約法第四条の一 重要事項について事実と異なることを告げること。当該告げられた内容が事実であるとの誤認」で何とかならないか・・・。

そもそもまだ被害にあったわけではないし、屋根の修理が必要と言われたわけではないが、これは私の手におえる問題では無いような気がしてきた。

明日朝一番で消費者センターに相談に行ってこよう。

ああ、落ち込むなあ。