テスト

週に何度か近くの会社に仕事に行っている。内容はプライバシーマーク取得のための事務局だ。仕事としては文書作成が主となっているが、従業員の研修もやらせていただいている。ここで一定の内容の研修がすんだので、その教育効果を確かめるためにテストをした。どうせやるからにはそれらしくと思い、その昔学校でやらされたテストのイメージを意識して作ってみた。
研修会の最後にテストをしますというと、皆一瞬驚いたような顔をする。でも、配られたテスト用紙を見て、まずそのいかにもというスタイルに笑いがこぼれる。問題の内容自体は、それまでの研修で学んだことばかりで特別難しいものではない。それでも多少の引っ掛けもあり、みなうなりながらカッコを埋めていく。
何年ぶりかのテストを終了した後、だれもが、なにかゲームでもした後のような笑顔で楽しかったと言う。(正解と不正解をチェックするだけで点数はつけないが)答案用紙を返すと、皆で見せ合ったり、いくつ間違っていたとか、自分の方が正解が多いとか、いろんな話題で盛り上がっていた。面白かったからまたやりたいと言う人も何人かいたし、すっかり学生時代に戻って「先生ありがとうございました。またおねがいします」とまで言う人もいた。
実際にテストをするまでは、仕事とはいえ少々気後れがしたし、いやな顔をされるのではないかと心配したものだった。それが、こんなにも好評を博すとは、予想外のことだった。これまであまり親しく口を利いたことのなかった人との距離も縮まったし、本当にうれしい限りだった。