みやじ豚

lunch_lunch2006-09-02

恒例のGlocom BBQに参加。
今年のテーマは「みやじ豚」。私がお取り寄せして持参したものだが、これを手に入れるにはちょっとした苦労があった。
このみやじ豚は、「生産者から生活者に直接届けるまでを一貫してプロデュースする」農家の実現を目指す方が、生産している。最近はスーパーの農産物売り場に、顔写真入りで生産者が紹介されていて、消費者に安心感を与えている。通常の生産者と消費者の関係はここまでだが、このみやじ豚の生産者はそれだけでは決して満足しない。自分が生産する食肉がどんな人にどんな食べ方をされているのか、そこまでをしっかり見極めたいと考えているようだ。
ある日、我が家から車で5,6分のところでこだわりの豚肉が生産されていると知った私は、夫にそのことを話した。それらしいところを知っているから行ってみようという夫と、二人で探しに行ったが見つけることができなかった。この顛末を書いて、どこに行けばみやじ豚を買えるのか教えてほしいとメールを送った。返ってきた答えは、じっさいにみやじ豚を食べてくださった方だけに販売している。ぜひBBQに参加してほしいというものだった。みやじ豚.comは年に何回かBBQや、首都圏のレストランなどでみやじ豚を食べる会を開催しているという。
そうはいっても、スケジュールが合わなくて参加できそうな日程がない。とりあえずメルマガ受信を登録。様子を伺いながら機会をみて売ってくださいと連絡したが、またしても断られた。
さすがに根負けしてあきらめかけたとき、ようやく購入できることとなった。それでも、知らない消費者に販売するのはあまり気持ちよくないのだろう、決して焼肉のたれを使わないでほしいと釘を刺された。この一言で、宮治さんのこだわりがわかる思いがした。

幸い私たちBBQ参加者は、ローズマリーとリアルソルトをつかった肉を味わうことを楽しみにしている。そうとわかって、すこし安心されたのではないだろうか。

こうした紆余曲折を経てようやく手に入れた肉を、みなで味わったのだ。参加者は誰もみな、自分のこれまでの人生の中で最高の豚肉だと絶賛し、私は大いに感謝されることとなった。
みやじ豚の販売方法が単にブランドイメージを高めるためだけの演出だとしたら、すごくいやみなものになる。でも、自分が心をこめて生産したものが、自分の意図しない食べ方をされたら、悲しい気持ちになるというこだわりは十分理解できる。この肉をいただく時には、生産者への感謝と尊敬の気持ちを忘れてはいけないだろう。