天辺の虹(環天頂アーク)

lunch_lunch2008-02-02

妹から虹がすごい!と電話があった。たまたま夫と朝のコーヒーを飲みに行って、店を出たところだった。
すぐに夫と二人で空を見たが、何も見えない。不思議なことに車のフロントガラスに虹がかかっている。でも、空は曇っているだけで虹なんか見えない。いったいどういうことなんだろうと思いつつ、家に向かう。途中何度か確認しても同じだ。場所によって見えたり見えなかったりするんだろうと諦めた。
家に入ろうとしたとき、それにしてもあんな勢いで電話してくるんだから相当なもののはずだと、もう一度空を、今度は丁寧に頭の上まで見上げてみた。
なんと、そこには逆向きでちぎれたような虹がくっきりと浮いているではないか!
虹って、水平線から上に出るものだと思って、空を見る時もせいぜい30度くらいしか目線を上げなかった。まさか、ひっくり返るくらい見上げたところに虹が出るなんて夢にも思ってみなかった。これなら、あんなふうにフロントガラスに映ったのも納得できる。
これは環天頂アークという。環天頂アークは、大気中の六角板状の氷晶の面が水平にそろった時にプリズムとなって光が屈折して起こる現象で、太陽から46度の角度に現れるという。
またこの画像、よく見ると環天頂アークの右端が枝わかれしているのがわかる。これは上部ラテラルアークという環天頂アークに接して現れる現象だ。
 
改めてじっくりと空を見ると、太陽を囲むようにうっすらともう一つの虹がかかっている。これは内暈と呼ばれるもので、太陽から22度の位置に出現する。その円周上の左右には一つずつ輝点があり、太陽が三つあるようにみえる幻日という現象だ。
いずれも大気中にある六角形の氷晶が太陽光線を屈折して起こる、非常に珍しい現象のようだ。