夜食

毎週金曜日と土曜日は午前4時まで営業するので、夜食を作って食べている。いつもはスパゲティが多いのだが、昨夜は品切れだったので代わりにリゾットを作った。実は昨夜はいやな予感がしていたので、本当はリゾットは食べたくなかった...........。
201が使用中だったので205で食べていると、3分の1ほど食べたところで204のお客さんが帰った。恐る恐る部屋を片づけにいくと、悲しい事に予感は見事に的中していた。酩酊状態の女性客がカーペットと、ごみ箱にたっぷり置き土産を残してくれていたのである。ポットにお湯を沸かしてカーペットの掃除をし、ごみ箱を洗って「さあ、お夜食の続きを」と205に戻った。
さめて固まったリゾットを前にして、二人しばし沈黙。気を取り直して食べ始めるが、妙にぎこちなく押し黙ったままのマサグチと私。いつもは30秒ほどで平らげてしまうマサグチも、一口食べては「フーッ」。「きょうは遅いね」「腹は減っているけど、気分がのらなくて.....」「ウン....、スパゲティだったらよかったのにね」

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さっとの友人から「舟和」のくずもちをいただいた。
私はずっと昔、新宿の小さな旅行会社で働いていた。会社に出入りしているホテルの営業マンは、いつも必ず何か手土産を持ってきてくれる。私にとってこの営業マンは、季節外れのサンタクロースのような存在だった。彼の手土産の定番の品のひとつに、このくずもちがあった。
当時は薄給で食べていくのがやっとで、老舗のきちんと包装してあるお菓子など、自分では買う事ができなかった。いまだに私にはその当時のお菓子のいくつかは、「高級品で、自分では買えないもの」というイメージが刷り込まれている。
今日は久しぶりに、サンタクロースにであったような思いがした。