だまされた

さっとから電話。「修論を提出するのに家にある書類が必要だから、すぐに学校まで迎えに来て。時間がない!」と。相変わらず土壇場でじたばたしている、いかにもさっとらしい。しかしこのところほとんど研究室に泊まり込みで、家には帰っていない。いったい家に何を置いてあるというのだろうと考えてはみるが、それを問いただしている時間はない。締め切りは4時ということ、時計をみると後40分ほどしかない。
彼の話を聞きながら急いでコートを着、バッグを持ち、車の鍵を手にした。居間のドアを開けようとしたとき「うそです、3時に無事提出しました」。完全にだまされてしまった。私の性格を十分に承知した上での、非常に悪質なイタズラだ。