十戒

久しぶりに十戒を見た。この映画はそれまで邦画しか見たことのなかった私が小学校4年生のときに初めて見た洋画だ。

十戒 [DVD]

当時は入れ替えなどなく、人気の高い映画は自分が見たい回の前の上映中に館内に入り、終了と同時に席を確保する。つまり、映画の最後の方を少し見てから、最初から見直すのである。

立ち見で混雑した暗い館内に入り、大人たちをかき分けてようやく見えたスクリーンには、これまでみたこともない美しい光景だった。それは、紅海に差し掛かったモーゼ率いるヘブライ人たちに迫った追っ手の軍隊が荒れ狂う炎の柱に阻まれるシーンだった。その後モーゼが海に向かって両手を広げると目の前で海の水が二つに割れ、人々が列をなして渡っていく。それまで見てきた映画とは明らかにスケールが違い、子供心に息を呑む思いだった。

小学生のことでストーリーは覚えてはいないが（そもそも吹き替え版だか、字幕スーパーが入っていたのかさえ定かではない）、いくつかのシーンが鮮明に思い起こされる。

シナイ山で神の十戒の石版を授かるシーンを始めとして、前編を通して鮮明な色使いで、子供心に金のかかった大作であることが感じられた。それから何度見たことだろう。

とにかくこの「十戒」は私の映画人生（ちょっと大げさだが・・）の原点なのである。

ところで、来週の日曜洋画劇場は「セブン」だという。シャレだろうか。

十戒（『旧約聖書』出エジプト記　第20章）
１　汝はわたしのほかに、何ものも神としてはならない。
２　汝は自分のために刻んだ像を造ってはならない。
３　汝は、汝の神、主の名を、みだりに唱えてはならない。
４　安息日を覚えて、これを聖とせよ。主は６日のうちに天と地と海とその中のすべてのものを造って７日目に休まれたからである。
５　汝の父と母を敬え。
６　汝殺してはならない。
７　汝姦淫してはならない。
８　汝盗んではならない。
９　汝隣人について、偽証してはならない。
１０汝隣人のものを一切欲してはならない。

7つの大罪
強欲・傲慢・色欲・憤怒・嫉妬・怠惰・大食

うーーん、人間とはなんと罪深いものだろうか。