谷川岳登山

lunch_lunch2008-10-19

先日の涸沢行きにすっかり気を良くして、今回は夫と次女と3人で谷川岳に挑戦。
当初は天神平からの往復という単純コースを考えていたが、同行者は二人とも健脚。中途半端な山歩きでは満足しない。私も、先日の涸沢で、ひそかに自信を取り戻していたので、無謀にも西黒尾根を降ることにして、ロープウェーのチケットは片道だけ購入した。
 
天神平周辺の紅葉を眺めながら出発(7:48)。天神平からのルートは、比較的楽なコースとはいえ、こういう岩場が何箇所もある(8:34)。

  
天狗の腰掛け岩で、一休み(8:48)。ひたすらまっすぐに山頂に向かうルート(8:52)。

  
肩の小屋辺りから万太郎山を望む(9:57)。トマの耳まで足を伸ばす(10:16)

 
オキの耳を眺めて、肩の小屋に引き返す(10:19)。肩の小屋で早めの昼食を取り、運命の分かれ道へ(11:17)。


山頂は極めず手前のトマの耳まででやめて、体力を温存し、降りに臨んだ。分岐点に「健脚向き」という立て札が立っているのをしり目に、降りだからとたかをくくっていた。ところがこれが間違いなく健脚向きで、途中後悔しても後の祭り。登りなら直登と表現するが、それを降るコースは何と表現したらよいかわからない。取りつく島のない岩場を、とにかくひたすらどこまでも等高線にほぼ直角に降っていく。一歩間違えば生きては帰れないと思うと、足がすくむ。

 
ただ岩場を写しても実感はわかないが(11:37)、人を配した画像は臨場感がある(12:41)。


考えてみると、私は子供のころから何度もこのコースを登っている。今こうしてみると、よくもこんなところを登ったものだと感心する。若いころは多少つらかった覚えはあるが、怖いと感じた記憶はない。やはり年齢を重ねるにつれて、怖さは強く感じることになるのだろう。
時には、お尻をつきながら、慎重に岩場を降る。途中異変に気がついた。怖さばかりではなく、実は二本の足ではしっかりと踏ん張れてない状態だ。私は用意周到にデューク更家がはくような足の筋肉を補強する?スパッツを履いて、土踏まずの部分が強力なスパンデックスで補強されている二本指の靴下を履いている。おまけに、筋肉痛予防に湿布薬をたくさん貼っている。通常ならこれで翌日(翌々日?)の筋肉痛は避けることができるのだ。それなのに、今回は足がいうことをきかない。痛みはないし、感触は問題ないのだが…
たまたま前日に見た箱根駅伝のシーンが蘇った。あの、両足がヘロヘロで、どちらを向くかわからないという状況とそっくりだ。あっちは意識も薄れているようだが、こっちはそれは全く問題ない。ただひたすら自分の足が自分の意志通りに動いてくれないというところだけが、そっくりだ。

そんな状態だが、途中出会った人に勧められてマチガ沢を左に眺める巌剛新道にルートを変える。さっきまでのさえぎる物のない岩場の西黒尾根と違い、こちは日の当たらない、濡れた黒土の道。岩を降るのとは違った緊張が必要だ。リュックを夫に持ってもらい、お尻をついたり、ステッキにすがったりして体重を分散させて足への負担を軽くする。

 
マチガ沢の眺望が素晴らしい、巌剛新道(12:45)。ようやく降りきった(14:38)。


登りでは肩の小屋はいきなり目の前に飛び込んできたが、降りでも最後のカーブを曲がったらいきなり舗装道路に出た。どんない苦しくても辛くても、終わってみれば何のことはない。その一瞬はつらさも疲れも吹き飛んでしまう。登山とは本当に不思議なものだ。

結局登りは2時間20分、降り3時間20分かかった。
あれ?今回はひどく無様な姿を同行者にさらしたので、もう二度と中級以上の山に登らないと固く誓ったけど、ゆっくり休んだとはいえ標準的な所要時間とそう遠くないタイムで登って降りてきている。これに懲りずにまた挑戦してもいいということか…
って、負け惜しみかな??