裏からみれば

妙高からの帰路、中央高速から蝶ヶ岳と、常念岳をはじめとして、北アルプス東側の山々を眺めた。これまでは単にそれぞれの名前を持つ山を眺めるというだけだったが、今回は違った。10月の上高地行で間近に眺めた山々の裏側を通っているのだ。
山は方向によって違った形に見えることがある。正面から見るのと、横からみるのではまったく異なる山に見えることもあるのだ。見る方向が違うと、いつも自分が見ている山を探しても、見つけられないことさえある。
今回は、180度反対側から眺めるからほとんど同じ稜線を見ることになる。山の向こう側の風景が目に浮かぶ。あの山の向こうに梓川が流れている、ホテルはあの辺りだろうか、あの木々の葉はもう落ちたろうか。白馬山が雪化粧しているのだから、涸沢ヒュッテの辺りも真っ白になっているだろうな…
思いは尽きない。
これまでは夫からあれが常念、あれが蝶と教えられても「ああ、そうなんだ…」と思うだけだった。そのままの風景なのに、とても懐かしいものに感じられた。
ああ、また来年も山に登りたいなぁ…
自分の体力に合った、醍醐味を感じられる山を探そう。